ThinkPadを使ってると、たまに「Windowsでそんな高いパソコン、使う意味ある? 10万円以下でいくらでも良いパソコン買えるじゃん。ASUSとか、acerとかさ」と言われることがあります。
たしかにそうかもしれません。でもそんなとき、Windowsの総本山、microsoftが販売してるSurfaceシリーズのホームページを見て、びっくりしました。タブレットにもなりペン操作も出来、キーボードもしっかりという自分のThinkPad X1 Yogaと比べるなら、SurfaceBook2になると思います。SSDは1TBほしいなあと価格を見ると、なんと、
397,224円(税込)!!!
自分の使ってるX1 Yogaは販売開始と同時に注文した、i7、メモリー16GBで、あとからSSDを自分で1TBに交換し、合計は約25万円です。
たしかに自分の使ってるX1 Yogaには、CPU以外のグラフィックボードは内蔵されていません。SurfaceBook2にはあります。ですからその分高いでしょう。それにしても15万円近く高いとは……。
問題は、グラボはいらないけど1TBSSDがほしいとなっても選択肢がない点ですよ。Surfaceシリーズはユーザー側での分解、交換不可のものばかりですからね。じゃあ1TBはあきらめて512GBにするかと言っても、メモリー16GBにこだわるなら、336,744円(税込)……。高いって。
しかもSurfaceシリーズは、学生や教職員などでもないかぎり、割引価格で買う方法がほとんどありません。
では、グラボ内蔵では比較が難しいので、CPU内蔵のインテルグラフィックのもの、一番安いi5、メモリー8GB、SSD256GBの組み合わせを見ましょう。これでも200,664円(税込)。
では今買えるX1 Yogaで似たような構成にするとどうなるか。i5、8GB、256GB、ディスプレイはWQHD(2560x1080)の液晶だと、割引後は163,566円(記事執筆時点)になります。
その差額をSSDの容量アップに使うのも、液晶をOLED(有機EL)に向けるのもありでしょう。
ThinkPadの最大の利点は、やはりこのカスタマイズの自由さにあります。「グラボはいらないです」「SSDは1TBほしいです」「画面はFHDで十分です」など、ユーザーの必要性に応じたカスタマイズが自由にできる。不要なスペックに無駄なお金を出す必要がありません。
かつ、必要スペックを満たした後でも、思いのほか、安上がり。「高い」というイメージを持たれがちなのに、実際は思ったより安いって、なんとなく気持ち、よくないですか?(笑)
これがASUSやacerになると、なぜか8GBモデルしか無いとか、SSDも最高で512GBしかないとか、よくあります。安いけど肝心なところで融通が利かない。
たとえばASUSでは、Zenbook Flip Sという機種があります。360度に曲げられタブレットにもなるので、X1 Yogaの競合と言って良いでしょう。
でもスペックが……。SSDは最大256GB、メモリーは8GB。SSDは外付けHDDなどでなんとかするとしても、メモリーが8GBでは、個人的には、つらい。
価格は140,184円とのことなんですけど、ThinkPadもこれくらいのスペックに落とすと、価格はほとんど変わらないんですよ。最初に言われた「ASUSやacerのほうが安い」というのは、X1 Yogaの競合というより、ややスペックの低いものだったりするわけです。「それで十分」というのは、人によって違うということなんでしょう。
SurfaceやASUS、acerにももちろんいいところはたくさんあるわけで、結局は、自分がなにを必要としているのか、そこを見極めるのが大事ということになります。そのうえでThinkPadは、カスタマイズの自由さで融通が最高に利きやすく、買いやすいパソコンだ、と言えると思います。
さらにThinkPadはスペックや買いやすさ以外にも、トップクラスに打ちやすいキーボード、唯一無二と言っていい赤いトラックポイントがあり、このためにThinkPadを選ぶ人もたくさんいます。
そのあたりのバランスの良さを考えると、決して高いとは、言えないと思います。